syouwanowasuremono’s blog

懐かしい旧車・モノ・コトにまつわる雑感

草叢の亡霊

〈昭和の忘れもの〉クルマ編㉒ 【スズキ マイティボーイ】 時折通る川沿いの草叢(くさむら)に、「マイティボーイ」が放置(不法投棄?)されていた。1983年にスズキから発売された、軽の“ピックアップトラック”である。 2代目「セルボ」のBピラー後方を切…

444(トリプルフォー)の呪縛

〈昭和の忘れもの〉バイク編㉕ 【ホンダ CB750K】 CB750fourの後釜に、10年ぶりにフルモデルチェンジされたCB750Kが収まることになった。(愛車は新型のマイナーチェンジ版) エンジンは4サイクル4気筒で排気量も同じ750㏄だがDOHC(ダブル・オーバーヘッド・…

巨匠と”だるま”

〈昭和の忘れもの〉モノ・コト編㊳ 開髙健とサントリーウイスキー・オールド 開髙健は言わずと知れた文学界の巨匠である。ベトナム戦争時に特派員として従軍した体験を元にした『輝ける闇』『夏の闇』は、不朽の名作として名高い。(『花終る闇(未完)』を…

無事という空疎

〈昭和の忘れもの〉クルマ編㉑ 【ファミリア 3ドア1600GT】 スタッドレスタイヤを組んだホイル 災厄が続いた「ファミリア1500XGi」に見切りをつけ、7代目の「ファミリア1600GT」に買い替える決心をした。ロータリーは規格外として、1400から1500へと段階を…

エンドロール

〈昭和の忘れもの〉バイク編㉔ 【CB750four part3】 ようやく電気系統のトラブルから復調した頃だった。 バイクの神(そんな物が存在するのか?)はとことん底意地が悪いらしく、小市民に次なる試練を与えた。1速から2速にギアチェンジする際、稀にギア抜け…

雨を見たんだ

〈昭和の忘れもの〉モノ・コト編㊲ 【CCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)】 過日、記録映画『CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL/TRAVELIN’ BAND』を観た。記録フィルムなので当たり前だが、スクリーンに映し出されていた4人のメンバー(ジョ…

魔法の言葉

〈昭和の忘れもの〉クルマ編⑳ 【トヨタ スプリンター1200SL】 トヨタの「カローラ」は最多販売車種としてギネスにも認定されたロングセラーカーで、「スプリンター」は同車から派生した姉妹(兄弟?)車である。 販売期間が長いこともあり、初代カローラ発売…

ほろ苦き味・・・夏

〈昭和の忘れもの〉モノ・コト編㊱ 【レスカ(レモンスカッシュ)】 無性にレモンスカッシュが飲みたくなった。 コンビニへ行けばその類いの商品が並んでいるが、ふと浮かんだのはかつて喫茶店で飲んだ、あのビジュアルと味だった。悲しいかな、近隣に提供し…

同窓会の罪

〈昭和の忘れもの〉クルマ編⑲ 【スズキ フロンテクーペGX】 新規格(550㏄)の軽自動車が目立ち始めた頃だ。地元中学校の同窓会があり、懐かしい顔が集まった。懐かしいと言っても7、8年ぶりくらいの、何とも中途半端なものだった。 散会してからお決まり…

艶舞の舞台裏

〈昭和の忘れもの〉モノ・コト編㉟ 【日劇ミュージックホール(NMH)】 少しだけ艶っぽい話である。 日劇(日本劇場)といえばかつては映画興行をはじめ「ウエスタンカーニバル」で一世を風靡し、娯楽の殿堂としてショービジネス界の人間にとっては憧れの場…

駆け抜けた伝説

〈昭和の忘れもの〉バイク番外編 【『がむしゃら1500キロ』浮谷東次郎(ちくま文庫)】 浮谷東次郎という名前をご存じの方はよほどのカーレース通か、年季の入ったバイクファンに違いない。彼は1942年(昭和17)千葉県市川市に生まれ、1965年に鈴鹿サーキッ…

不実の報い

〈昭和の忘れもの〉クルマ編⑱ 【ファミリア1500XGi part2】 「赤じゃないけど文句ある?」 そう啖呵を切って購入を決めたファミリア1500XGiだったが、適度にスポーティーで且つ身の丈に合った、実用性の高いクルマだと本音で納得していた。ディーラー担当者…

過ぎたるは・・・

〈昭和の忘れもの〉モノ・コト編㉞ 【助六寿司(稲荷弁当・海苔巻き弁当)】 ソメイヨシノの花芽が日毎に膨らんでいる。 今年は晴れて花見の宴の規制が解除されるという。青空の下、家族や気の置けない仲間たちの笑顔の中心には、バラエティーに富んだ料理が…

人生で一番長い坂

〈昭和の忘れもの〉バイク編㉓ 【ホンダ CB750four】ショートストーリーVersion かつて文学少女だったマドンナに振られて以降、「新たな出発(たびだち)」などと浮かれていた気概が怪しくなった。 気付けばタンデムシートは空席のままだし、昔のように玄関…

青い鳥と錦鯉

〈昭和の忘れもの〉クルマ編⑰ 【ダットサン ブルーバード1200DX(410型)】 かつてBC戦争なる熾烈な競争があった。 『ブルーバード』(日産)VS『コロナ』(トヨタ)という、2大自動車メーカーの覇権を廻る販売合戦は、一般家庭にも自家用車が普及し始めた高…

バッグの奥底

〈昭和の忘れもの〉モノ・コト編㉝ 【マジソンバッグ】 マジソンスクエアガーデンバッグ、通称『マジソンバッグ』が学生の間で流行ったのは60年代から70年代にかけてのことだ。 ご存じの通りマディソン・スクエア・ガーデンとは、NBA(バスケット)の『ニ…

ワンダーランドから見た月

〈昭和の忘れもの〉クルマ編⑯ 【スズキ スズライトキャリイ】 “世紀の天体ショー”という惹句に流されて夜空を仰いでいた。 一生に一度の奇跡―――そんなふうに巷は煽っていたが、自身はそうした感慨よりもなぜか初めてクルマのハンドルを握ったときのことを思…

それぞれの物語

〈昭和の忘れもの〉バイク番外編 【「ワイルド7」と「750(ナナハン)ライダー」】 先頃、漫画家の石井いさみ氏が亡くなった。1975年から10年間に亘って「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に連載されたバイク漫画の金字塔、『750(ナナハン)ライダー』の…

先見の”迷”

〈昭和の忘れもの〉モノ・コト編㉜ 【東芝 A-800HFD(DIGITAL-Hi-Fi VHS)】 メカ好きで新しモノ好きである。機械モノで新製品が出るとつい気になって、量販店(主として家電)へ足が向いてしまう。しかも意志が弱いときてるので過去にどれだけ無駄遣いを嘆き…

未練

〈昭和の忘れもの〉クルマ編⑮ 【マツダ サバンナRX-7(初代)】 マツダが世界に誇るロータリーエンジン。その高性能ぶりは、かつてプレスト・ロータリークーペに乗っていた自分には良くわかっていた。だが、その高性能エンジンを搭載した新型車の発表が絶…

きみは”フィーバー”したか?

〈昭和の忘れもの〉モノ・コト編㉛ 【ディスコブーム(第2次)】 『アラベスク』『ジンギスカン』『サンタ・エスメラルダ』、これらの名前だけでピンとくる同世代の人間も少なくないだろう。さらに『サタデー・ナイト・フィーバー』と聞けばほぼ全員の頭に…

逃げるが勝ち

〈昭和の忘れもの〉バイク編㉒ 【ホンダ CB550four (白バイ仕様)】 すでに死語と思われる「銀ブラ」という言葉がまだ威光を放っていた頃、銀座4丁目の交差点で緊迫したカーチェイスに遭遇したことがあった。 サイレンの音が近付いてきたので何事かと顔を向…

お先にどうぞ

〈昭和の忘れもの〉クルマ編⑭ 【ファミリアサルーン 1500XE】 5代目ファミリア3ドアハッチバックの好評に手応えを感じたマツダは、若者だけでなくファミリー層にも訴求すべく4ドアセダンを追加した。ハッチバックと差別化された逆スラントノーズの顔つきと…

音楽をつかまえろ

〈昭和の忘れもの〉モノ・コト編㉚ 【FMレコパル (FM情報誌)】 「エアチェック」という言葉を聞いて反応するのは、おそらく50代以降の世代だろう。それ以前の世代では文字通り空気を掴むようなものかもしれない。 エアチェックとはテレビやラジオ放送を…

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〈昭和の忘れもの〉バイク編 ㉑ 【ホンダ ウイングGL400カスタム】 『イージー・ライダー』(Ⓒコロンビア映画)といえばアメリカン・ニューシネマの代表作である。主題歌の『ワイルドで行こう』も大ヒットし、ピーター・フォンダ、デニス・ホッパーの駆る俗…

承認欲求

「承認欲求」 〈昭和の忘れもの〉クルマ編⑬ 【スプリンター・トレノGT-APEX (AE86)】 クルマ好きには説明の必要もないだろうが、AE86(ハチロク)といえばかつての走り屋の定番で、人気コミック『頭文字D(イニシャル・ディー)』で主人公が駆るクルマと…

火を灯す

「火を灯す」 〈昭和の忘れもの〉モノ・コト編 ㉙ 【ジッポー 他ライター各種】 以前、広告マッチについて書いた。今回は公平を期してライターにも触れておこう。 広告マッチの収集に熱中した記憶のせいでその話題が先行したが、喫茶店で手に入れるマッチは…

昭和の忘れもの

「赤じゃないけど」 【ファミリア3ドアHB 1500XGi】クルマ編⑫ 高い技術力を持ちながら販売面では苦戦を続けていた東洋工業(現マツダ)は、1980年発売の5代目ファミリアの大ヒットによって救われた。 4代目ファミリアは実用的で高い評価を得たが、スタイリ…

昭和の忘れもの

「途切れたシュプール」 【スキーブーム】モノ・コト編㉘ 板:OLIN ビンディング:SALOMON 原田知世の主演映画『私をスキーに連れてって』がヒットしたのは、1987年のことである。この年を挟んだ5年ほどがスキーブームのピークだったように思う。 スキーを始…

昭和の忘れもの

「ブラックボックス」 【カワサキ 750RS(Z2)】バイク編⑳ 開口一番、電話の向こうでKが言った。 「Z2(ゼッツー)買ったぞ」 正式名称「KAWASAKI 750RS」。我が愛車のCB750フォア登場の3年後に発売された、現在も語り継がれる名車である(通称のZ2〈ゼッ…